top of page
検索

借入金返済と営業利益のバランス|利益が出ていても返済できないワケとは?

  • yusukekondo9
  • 2025年12月23日
  • 読了時間: 2分

はじめに


「利益は出ているのに借入金の返済が苦しい・・・」

このような悩みを抱える中小企業経営者は少なくありません。 実は、営業利益が出ていても借入金の元本返済はできないことがあります。

この記事では、借入金返済と営業利益の関係性、キャッシュフローとの違い、金融機関が重視するポイントを税理士の視点から解説します。



  1. 営業利益とは?


営業利益 = 売上総利益 − 販売費及び一般管理費


つまり、本業によってどれだけ利益が出ているかを示す指標です。 しかし、ここには借入金の元本返済は含まれていません。



  1. 借入金返済は「費用」ではない


借入金の返済(元本部分)は、損益計算書には登場しません。 したがって、利益が出ていても、返済のための資金があるとは限らないのです。


■ 支払利息:経費として損益計算書に計上される

■ 元本返済:貸借対照表上の負債減少 → キャッシュアウト



  1. 営業利益 vs 借入返済額


営業利益がいくらあっても、

  • 減価償却費が少ない

  • 売掛金が増えて資金が回収できていない

  • 在庫が増加して現金が固定化

このような状況では、借入返済に充てる資金が不足します。


→ 大事なのは「営業キャッシュフロー」とのバランスです。



  1. 安全な返済水準の目安


金融機関や財務分析で使われる「借入金返済余裕倍率(DSCR)」が参考になります。


■ DSCR(Debt Service Coverage Ratio)


(営業利益 + 減価償却費) ÷ 元利合計返済額


→ 1.5倍以上あれば「安全圏」、1.0倍を下回ると「要注意」



  1. 借入金返済に耐える営業利益体質をつくるには


① 利益の質を高める

  • 粗利率を改善し、販管費を抑える

  • 継続収益モデルの構築(ストック型)


② 減価償却の活用と投資コントロール

  • 無理な設備投資は営業CFを圧迫

  • 減価償却費の範囲で設備投資を行う


③ 運転資金の最適化

  • 売掛金・在庫・買掛金の回転率を改善

  • 回収・支払いサイトを見直す

● ④ 借入金の再構成

  • 短期借入→長期借入への借換

  • リスケ・元本据置期間の設定も選択肢に



まとめ:利益管理と資金管理は別モノ


「利益が出ているから借入も返せる」と思い込むのは危険です。


返済原資は“営業キャッシュフロー”であって“営業利益”ではありません。


利益の改善と同時に、資金繰りや返済負担を見据えた財務設計が重要です。



弊所サービスに関するお問い合わせは「お問い合わせフォーム」からお願いいたします

 
 
 

最新記事

すべて表示
固定資産の耐用年数と償却スケジュールの重要性|資金戦略に活かす減価償却の設計とは?

はじめに 中小企業経営者の多くが意識していない「固定資産の償却スケジュール」。 減価償却は、単なる会計処理ではなく、 キャッシュフローと税金、そして設備投資のタイミング に直結する重要な経営指標です。 本記事では、固定資産の「耐用年数」と「償却スケジュール」がもたらす経営上の意味と、資金戦略への活かし方を税理士の視点から解説します。 固定資産の耐用年数とは? 税法により資産の種類ごとに「法定耐用年

 
 
 
在庫とキャッシュフローの関係|利益を圧迫する「棚卸資産」の落とし穴

はじめに 「売上は順調なのに、なぜか資金繰りが苦しい」 この原因の1つが 在庫の増加(棚卸資産)  にあることが多いです。中小企業の資金繰り悪化の大きな要因の一つが、「売れていない在庫」に資金が滞留していることに気づけていないことです。 今回は、在庫がキャッシュフローに与える影響と、資金効率を高めるための在庫管理のポイントを、税理士の視点から解説します。 1.在庫(棚卸資産)とは? 貸借対照表にお

 
 
 
売掛金・買掛金の回転期間と資金効率|経営者が注目すべき資金繰りの見える化指標

はじめに 売上は順調、利益も黒字・・・ にもかかわらず、「なぜか資金が足りない」と感じたことはありませんか? その原因の一つが 「売掛金・買掛金の回転期間」  にあることが多く、これは資金繰りに大きく影響します。 今回は、経営者が知っておくべき「回転期間」の考え方と、資金効率を改善する実務ポイントを税理士の視点で解説します。 1.回転期間とは何か? ● 売掛金回転期間 売掛金の回収に要する平均日数

 
 
 

コメント


近藤祐輔税理士事務所

Yusuke Kondo Tax Accounting Office

〒279-0023 千葉県浦安市高洲8丁目1番714

​TEL:047-707-3714

©2026 近藤祐輔税理士事務所

bottom of page