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成長企業が実践する「資金繰り管理」の鉄則

  • yusukekondo9
  • 4月7日
  • 読了時間: 4分

1. はじめに


企業が成長する過程で必ず直面するのが「資金繰り」の課題です。どれほど売上が拡大していても、資金繰りが悪化すれば成長は止まり、時には事業の継続すら危ぶまれることもあります。成長企業こそ、先手を打った資金繰り管理が求められるのです。

この記事では、成長企業が実践している資金繰り管理の“鉄則”を、財務戦略と実務の両面から解説します。



2. 資金繰りを制するものが成長を制す


✅ 成長期こそ「お金が足りなくなる」

  • 売上増=仕入・外注費・人件費の先行支出が増える

  • 売掛金の増加によりキャッシュインが遅れる

  • 設備投資・新規事業投資の資金需要が高まる


📌 売上が増えても現金が足りないというパラドックスに注意!


✅ 「利益が出ているのに資金が足りない」の典型例

  • 売上増=売掛金の増加 → 入金遅延で資金ショート

  • 投資と借入返済が重なるタイミングで現金が枯渇



3. 成長企業の資金繰り管理・5つの鉄則


鉄則1:月次ベースで資金繰り表を作成する

  • 月単位・週単位でのキャッシュイン/アウトのスケジュールを明確化

  • 固定費や税金、返済スケジュールを一覧で管理

  • 事前に過不足を予測し、早めに対応策を検討


📌 資金繰り表は「未来の地図」。経営のかじ取りに不可欠!


鉄則2:売掛金と買掛金のギャップを意識する

  • 売掛金の回収サイトが長いとキャッシュが不足

  • 逆に買掛金の支払サイトを調整して、資金繰りを改善

  • 与信管理と定期的な回収チェックが重要


鉄則3:納税・賞与・返済など「突発ではない支出」に備える

  • 法人税・消費税の中間納付、社会保険、賞与などは事前に額と時期が読める

  • 納税専用の積立口座を用意し、毎月一定額を移しておく

  • 税理士と連携し、納税スケジュールを年間で可視化


鉄則4:金融機関との関係性を築き「枠」を確保しておく

  • 当座貸越枠、短期継続融資、資本性ローンなど柔軟な資金調達手段を事前に整える

  • 信用力の高いうちに資金調達枠を確保することで、いざというときのスピード対応が可能

  • 定期的な業績報告・事業計画提出が信頼関係の構築につながる


鉄則5:資金繰りは「経営者の仕事」として習慣化する

  • 経理部門に丸投げせず、経営者自身が資金繰り表を毎月確認する

  • 投資判断・採用計画などは、キャッシュの余力を見ながら意思決定

  • 経営会議の定例議題に「資金繰り状況」を設ける


📌 成長スピードが早い会社ほど、“お金の管理”を経営戦略の中心に据えている!



4. 成長企業がやっている実践事例


事例1:製造業A社(月商3,000万円→6,000万円)

  • 売上倍増に伴い、材料費・外注費・人件費が先行し、資金ショートリスクが急増

  • 週次ベースの資金繰り表を導入し、支出と回収のズレをコントロール


事例2:IT企業B社(スタートアップ→シリーズB)

  • 投資フェーズで赤字継続中にも関わらず、事業成長に必要な資金を確保

  • 資本性ローンとベンチャー融資の活用により、自己資本比率を維持しつつ資金繰りを確保



5. 税理士が支援できること


  • 資金繰り表の作成支援、テンプレートの提供

  • 税・社会保険・返済スケジュールの年間管理

  • 銀行向け融資資料の作成と面談のサポート

  • 財務会議への参加による定例レビューの仕組み化

  • 金融機関の紹介や面談への同席による信頼性向上

    • 税理士からの紹介で銀行担当者との接点ができると、企業の信用力が高まる

    • 銀行担当者との面談に税理士が同席することで、事業内容や財務状況の説明に説得力が増し、融資交渉がスムーズになる


    📌 「税務処理」から「未来の財務戦略」へ。税理士をもっと活用しよう!



6. まとめ

✅ 成長企業こそ、資金繰り管理の重要性が高まる

✅ 月次・週次ベースでのキャッシュ管理が成長スピードを支える

✅ 金融機関との関係強化や納税・投資に備えた資金計画がカギ

✅ 税理士とともに“攻めと守り”の財務戦略を構築することが成功の鍵


キャッシュフローを制する者が、成長を制す。その第一歩は、数字に向き合う習慣化から始まります。

 
 
 

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