年商5億円を突破するための「利益率アップ」戦略
- yusukekondo9
- 5月6日
- 読了時間: 3分
1. はじめに
「売上は順調に伸びているが、なぜか手元に利益が残らない」——そんな悩みをお持ちの経営者の方は少なくありません。
年商5億円を目指す企業にとって重要なのは、「売上を増やすこと」だけでなく、「利益率を高めて、売上に見合う利益を確保すること」です。
本記事では、売上成長に伴って利益も最大化するための利益率アップ戦略を、税理士の視点から具体的に解説します。
2. 利益率とは?どこを見るべきか
利益率にはいくつかの種類がありますが、特に意識したいのは次の3つです。
✅ 売上総利益率(粗利率)
=(売上高 ー 売上原価)÷ 売上高
商品・サービスの原価構造と値付け戦略に直結
✅ 営業利益率
= 営業利益 ÷ 売上高
本業の収益力と販管費のバランスを見る指標
✅ 経常利益率
= 経常利益 ÷ 売上高
本業+財務活動のバランスを含めた「会社全体の健全度」
📌 売上を1割伸ばすより、利益率を1%上げる方が経営効果は大きい場合も!
3. 利益率が低下する典型的な原因
原価が上がっているのに価格に転嫁できていない
人件費・広告費などの販管費が増えすぎている
非効率な在庫管理や過剰仕入でロスが出ている
安易な値引き・キャンペーンが常態化している
まずは、自社の過去3〜5年の利益率推移を把握し、「いつ・なぜ下がったのか」を分析することが出発点です。
4. 利益率アップの具体的戦略
① 粗利率改善
高粗利商品・サービスに注力(商品別粗利の見える化)
値上げ戦略の検討(価格競争より“価値提案”)
仕入先の見直し、在庫回転率の改善
② 営業利益率向上
固定費の見直し(家賃、人件費、ITコストなど)
外注コスト削減や業務の自動化
生産性向上による人件費の最適化
③ 顧客別・事業別の採算分析
「売上はあるのに利益が出ていない」取引をあぶり出す
採算の悪い事業を縮小・撤退し、利益率の高い分野に集中
④ 経理データの月次活用
試算表・部門別PLを活用し、月次で利益率を管理
営業や管理部門と連携し、数字に基づくPDCAを回す
5. 利益率改善と財務の関係
利益が増えると当然、法人税も増えます。しかし、利益を意図的に圧縮しすぎると、以下のような問題が生じます。
内部留保が蓄積されず、自己資本比率が上がらない
金融機関からの格付けが上がらず、プロパー融資が通りにくくなる
企業価値(評価額)が伸びない
📌 企業成長を目指すフェーズにおいては、過度な節税によって純資産が積み上がらず、財務的に脆弱な企業体質になってしまうリスクがあります。
📌 繰延型の節税を検討してもよいのは、内部留保が十分に蓄積され、自己資本が厚くなり、もはやこれ以上大きく成長する必要がないと判断できるステージに達したときだと考えます。
6. 税理士がサポートできること
利益率分析と経営改善のアドバイス
事業別・部門別の採算性レポートの作成
月次試算表をもとにした経営会議の支援
利益計画と税務戦略を連動させた中長期支援
7. まとめ
✅ 利益率を高めることが、売上以上に経営の安定をもたらす
✅ 売上総利益率・営業利益率の推移を継続的にチェック
✅ 商品・顧客・部門別の採算性を可視化し、戦略的に絞り込む
✅ 税理士とともに、利益率向上と納税計画を両立させよう
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