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借入金返済と営業利益のバランス|利益が出ていても返済できないワケとは?

  • yusukekondo9
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

はじめに


「利益は出ているのに借入金の返済が苦しい・・・」

このような悩みを抱える中小企業経営者は少なくありません。 実は、営業利益が出ていても借入金の元本返済はできないことがあります。

この記事では、借入金返済と営業利益の関係性、キャッシュフローとの違い、金融機関が重視するポイントを税理士の視点から解説します。



  1. 営業利益とは?


営業利益 = 売上総利益 − 販売費及び一般管理費


つまり、本業によってどれだけ利益が出ているかを示す指標です。 しかし、ここには借入金の元本返済は含まれていません。



  1. 借入金返済は「費用」ではない


借入金の返済(元本部分)は、損益計算書には登場しません。 したがって、利益が出ていても、返済のための資金があるとは限らないのです。


■ 支払利息:経費として損益計算書に計上される

■ 元本返済:貸借対照表上の負債減少 → キャッシュアウト



  1. 営業利益 vs 借入返済額


営業利益がいくらあっても、

  • 減価償却費が少ない

  • 売掛金が増えて資金が回収できていない

  • 在庫が増加して現金が固定化

このような状況では、借入返済に充てる資金が不足します。


→ 大事なのは「営業キャッシュフロー」とのバランスです。



  1. 安全な返済水準の目安


金融機関や財務分析で使われる「借入金返済余裕倍率(DSCR)」が参考になります。


■ DSCR(Debt Service Coverage Ratio)


(営業利益 + 減価償却費) ÷ 元利合計返済額


→ 1.5倍以上あれば「安全圏」、1.0倍を下回ると「要注意」



  1. 借入金返済に耐える営業利益体質をつくるには


① 利益の質を高める

  • 粗利率を改善し、販管費を抑える

  • 継続収益モデルの構築(ストック型)


② 減価償却の活用と投資コントロール

  • 無理な設備投資は営業CFを圧迫

  • 減価償却費の範囲で設備投資を行う


③ 運転資金の最適化

  • 売掛金・在庫・買掛金の回転率を改善

  • 回収・支払いサイトを見直す

● ④ 借入金の再構成

  • 短期借入→長期借入への借換

  • リスケ・元本据置期間の設定も選択肢に



まとめ:利益管理と資金管理は別モノ


「利益が出ているから借入も返せる」と思い込むのは危険です。


返済原資は“営業キャッシュフロー”であって“営業利益”ではありません。


利益の改善と同時に、資金繰りや返済負担を見据えた財務設計が重要です。



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