在庫とキャッシュフローの関係|利益を圧迫する「棚卸資産」の落とし穴
- yusukekondo9
- 1月16日
- 読了時間: 3分
はじめに
「売上は順調なのに、なぜか資金繰りが苦しい」
この原因の1つが 在庫の増加(棚卸資産) にあることが多いです。中小企業の資金繰り悪化の大きな要因の一つが、「売れていない在庫」に資金が滞留していることに気づけていないことです。
今回は、在庫がキャッシュフローに与える影響と、資金効率を高めるための在庫管理のポイントを、税理士の視点から解説します。
1.在庫(棚卸資産)とは?
貸借対照表における棚卸資産とは、以下のような「販売のための資産」を指します。
商品・製品(販売用の完成品)
半製品・仕掛品(製造途中)
原材料・部品(製造前段階)
これらはすべて、まだ売れていない=現金化されていない資産です。
2.在庫がキャッシュを圧迫する理由
在庫は「資産」として計上されますが、
それは“現金が姿を変えて寝ている”状態です。
つまり、仕入・製造・保管などで一度お金を出してから、 それが「売れて入金されるまで」現金が戻ってこない。
この期間が長いほど、キャッシュが在庫に滞留し続けることになります。
3.在庫増加による経営への影響
資金が固定化し、仕入や人件費など他の支出に回らない
借入金で在庫を賄っている場合は、金利負担だけが残る
不良在庫・陳腐化リスクにより将来損失を計上することに
棚卸資産の増加で営業キャッシュフローが悪化
4.実務でのチェックポイント
● 棚卸資産回転期間(在庫回転日数)
=【棚卸資産 ÷ 売上原価】 × 365日
→ この数値が長くなるほど、在庫が滞留している状態です。
● 月次での在庫推移の把握
増加傾向が続いていないか?
売上とのバランスが取れているか?
● 販売計画と仕入・生産の整合性
在庫が積み上がる背景に「売れ筋分析の不足」「過剰仕入」がないか?
5.改善のための実務アクション
過去の実績をもとにした発注量・生産量の見直し
死蔵在庫・低回転在庫の定期的な棚卸と処分
受注生産型・少量在庫型への業務転換の検討
在庫と売上のバランスを月次で見える化(在庫日数グラフなど)
税理士の視点:在庫は“隠れた資金の墓場”になり得る
多くの経営者が「在庫は資産だ」と思い込んでいますが、
実際には“お金を止めている要因”であることが非常に多いです。
銀行や投資家も、棚卸資産が多すぎる会社には、 「資金効率が悪い」「販売計画に問題がある」といったマイナス評価を与える傾向があります。
まとめ
指標 | 改善ポイント |
在庫回転期間 | 60日以内が理想(業種による) |
不良在庫比率 | 10%以下を目標に抑える |
棚卸資産推移 | 月次で増減の傾向を確認する |
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