売掛金・買掛金の回転期間と資金効率|経営者が注目すべき資金繰りの見える化指標
- yusukekondo9
- 1月14日
- 読了時間: 3分
はじめに
売上は順調、利益も黒字・・・
にもかかわらず、「なぜか資金が足りない」と感じたことはありませんか?
その原因の一つが 「売掛金・買掛金の回転期間」 にあることが多く、これは資金繰りに大きく影響します。
今回は、経営者が知っておくべき「回転期間」の考え方と、資金効率を改善する実務ポイントを税理士の視点で解説します。
1.回転期間とは何か?
● 売掛金回転期間
売掛金の回収に要する平均日数=【売掛金 ÷ 年間売上高】 × 365日
👉 短いほど資金回収が早く、キャッシュフローが良好になります。
● 買掛金回転期間
仕入れに対する支払いまでの平均日数=【買掛金 ÷ 年間仕入高】 × 365日
👉 長いほど資金の滞留が少なく、資金繰りに余裕が出ます。
2.なぜ回転期間が重要なのか?
たとえ利益が出ていても、資金が口座に入ってこなければ意味がありません。
例えば:
売掛金回収が90日かかっている
買掛金の支払いは30日後
この場合、売上代金が入る前に仕入代金の支払いが先に発生しており、結果として資金不足が起きやすくなります。
3.回転期間が長い場合のリスク
資金繰りが慢性的に厳しくなる
追加借入に頼る体質になる
金融機関から「資金効率が悪い企業」と評価されやすくなる
回収不能(貸倒れ)リスクも高まる
4.目指すべき水準の目安
指標 | 良好な目安 | 注意すべき水準 |
売掛金回転期間 | 30日以内 | 60日超 |
買掛金回転期間 | 30~60日 | 15日未満(短すぎると資金繰りに悪影響) |
※業種によって適正水準は異なります。建設業・製造業・IT業などで特性を考慮。
5.経営改善のための実務アクション
● 売掛金回収の強化
回収条件の見直し(30日サイト→翌月末など)
定期的な滞留債権チェックとフォロー
手形決済の縮小、電子請求書の活用
● 買掛金の支払い猶予交渉
長期支払契約の締結
支払サイトの見直し(支払条件を“仕入月の翌々月末”などへ)
● キャッシュフロー計画の策定
回転期間を月次で見える化
売掛・買掛のバランスをグラフで管理
6.金融機関の視点
銀行は、「資金効率の良し悪し」をこの回転期間で見ています。
特に:
売掛金が異常に多い(回収サイトが長い)
買掛金が少なすぎる(仕入れ先からの信用がない?)
といった場合には、「運転資金の管理が甘い会社」として評価が下がることもあります。
まとめ:利益の裏にある“お金の動き”を見逃すな
損益計算書だけでは会社の本当の姿は見えてきません。売掛金・買掛金の回転期間という“資金の流れ”に着目することで、黒字倒産を防ぎ、資金繰りに強い会社へと変える第一歩になります。
売上や利益だけでなく、資金効率の観点で「どれだけ早く回収できるか・どれだけ支払いをコントロールできているか」が、企業の体力を大きく左右します。
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