税引後利益と手元資金の関係性|黒字なのに現金が増えない理由とは?
- yusukekondo9
- 12 分前
- 読了時間: 2分
はじめに
「今期は税引後利益がしっかり出た。でもなぜか現金が増えていない・・・」
多くの中小企業経営者が抱える疑問のひとつです。 帳簿上の利益と現金の動きは、必ずしも一致しません。 この記事では、税引後利益と手元資金の違いを明確にし、そのギャップを生む要因と改善策を税理士の視点で解説します。
税引後利益とは?
損益計算書の一番下に表示される「税引後利益(当期純利益)」は、
企業活動の最終的な成果
を示す数字です。
ただし、これは会計基準に基づく数値であって、 現金の出入りを直接表しているわけではありません。
税引後利益が現金と一致しない理由
以下のような要因によって、帳簿上の利益と実際の現金は乖離します。
● 売掛金の未回収
売上計上済でも、現金はまだ未入金
● 棚卸資産の増加
販売前の商品仕入により現金が在庫化
● 設備投資による現金支出
費用は減価償却として分割計上 → 現金は一括支出
● 借入金返済の元本部分
損益には含まれないが、資金には影響
● 法人税・消費税等の納付
税引後利益の一部は納税でキャッシュアウト
決算書で見るべき“現金と利益のギャップ”
● 貸借対照表の変化を見る
売掛金・棚卸資産・未収入金 → 増加していないか?
有形固定資産 → 設備投資の実施有無
● キャッシュフロー計算書(C/F)がある場合
営業活動によるキャッシュフローがマイナスなら要注意
投資・財務CFとのバランスを見る
実務でできる改善策
● 売上債権回収のスピードアップ
請求と入金サイトの短縮・早期回収の徹底
● 投資前にキャッシュフローベースで判断
減価償却で利益は分散されても、キャッシュは即時減る
● 利益の中から資金を「見える化」して管理
キャッシュフロー表を活用
税引後利益の使途(借入返済、配当、納税など)を区分
まとめ:利益≠資金の落とし穴に注意
税引後利益が出ているからといって、安心してはいけません。
実際に使える資金(フリーキャッシュ)がどれだけあるか?
を常に意識する必要があります。
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