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銀行が嫌う決算書の7つの兆候|融資が通らない本当の理由

  • 執筆者の写真: 近藤 祐輔
    近藤 祐輔
  • 14 時間前
  • 読了時間: 9分

はじめに


「うちは赤字じゃないのに、なぜか銀行の対応がイマイチで・・・」

「前回より融資が通りにくくなった気がするけど、理由がわからない」


こうした悩みを抱える経営者は少なくありません。銀行は決算書の"ある兆候"をもとに、融資の可否や金利をシビアに判断しています。


問題は、その兆候が「粉飾をしている」という意味ではないことです。むしろ「説明が不十分」「資金の見通しが見えない」という、一見気づきにくいポイントが銀行のNGサインとして機能しているケースが大半です。


今回は社長と税理士の対話形式で、銀行が嫌う決算書の7つの兆候と、具体的な改善策を解説します。


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銀行が嫌う決算書の7つの兆候


① 社長貸付金・仮払金・仮受金が多額に計上されている


社長: 先生、決算書に「役員貸付金」が500万円ほど残っているんですが、これって問題ですか?


税理士: 銀行が最も嫌う項目の一つです。役員貸付金があると、銀行は「会社のお金を社長が私的に使っているのでは」という疑念を持ちます。回収見込みのない”隠れ債務”と判断されると、その分だけ実質的な純資産が低く評価されます。

仮払金・仮受金も同様です。月次で精算されず残高が積み上がっていると、「資金の流れが不透明な会社」と見なされます。


改善のアクション:

  • 役員貸付金は計画的に返済し、残高をゼロに近づける

  • 仮払金・仮受金は月次で必ず精算する

  • 社長個人との資金のやり取りは明確に記録する


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② 減価償却費が極端に少ない、または計上されていない


社長: 今期は利益を出したかったので、減価償却を少し抑えました。これって銀行にバレますか?


税理士: バレる、というより銀行は必ずチェックします。固定資産台帳と照合すれば、適正な償却額との差はすぐわかります。減価償却を抑えて利益を大きく見せようとすると、銀行が返済余力の計算に使うEBITDA(営業利益+減価償却費)が小さくなり、むしろ評価が下がります。


📌 目安: 前期比で減価償却費が20〜30%以上減少している場合、銀行担当者は必ず理由を確認してきます。


改善のアクション:

  • 正しい耐用年数・償却方法に基づいて毎期計上する

  • 「減価償却をしっかりしても利益が出ている」姿を銀行に見せることが最強

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③ 役員報酬が不自然に高い、または極端に低い


社長: 役員報酬って、銀行はどんな目で見ているんですか?


税理士: 高すぎる場合は「利益を役員報酬で抜いている」、低すぎる場合は「生活費を会社からの貸付金で補っている可能性がある」と見られます。どちらも決算書の整合性を疑われるサインです。


📌 目安: 同業種・同規模の平均報酬水準と大きく乖離している場合、銀行は理由を確認してきます。利益水準・会社規模・業界相場と整合している役員報酬が理想です。


改善のアクション:

  • 利益水準や借入残高とのバランスを考慮した役員報酬を設定する

  • 報酬水準の根拠を説明できるようにしておく


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④ 売掛金・棚卸資産が売上に比べて膨らんでいる


社長: 売上が増えているので売掛金も増えているんですが、これは普通ですよね?


税理士: 売上増加に伴う売掛金の増加は自然です。問題は「売上の伸び率より売掛金の伸び率が大きい」場合です。回収できていない売掛金が積み上がっている、または実態のない売上が計上されている可能性を疑われます。

棚卸資産も同様で、在庫が急増しているときは「不良在庫が含まれているのでは」と判断されます。


📌 目安: 売上債権回転期間(売掛金÷月商)が業界平均より著しく長い場合は要注意です。


改善のアクション:

  • 回収不能な債権は早めに貸倒処理を検討する

  • 棚卸資産は定期的に評価減・廃棄処理を行い、実態と帳簿を一致させる


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⑤ 短期借入金が恒常的に多い


社長: 短期借入金が多いと、なぜ問題になるんですか?


税理士: 短期借入金は「1年以内に返済する借入」です。これが毎年の決算書に大きく残っていると、「慢性的に資金繰りが苦しい会社」と判断されます。また、短期で借りた資金を長期の設備投資に使っている「資金使途のミスマッチ」も銀行が嫌うパターンです。


📌 目安: 短期借入金が月商の3か月分を超えて毎期残り続けている場合は見直しが必要です。


改善のアクション:

  • 設備投資向けの借入は長期借入に借り換える

  • 月次の資金繰り表を整備し、健全性を数字で説明できるようにする

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⑥ 税金の未納・滞納がある


社長: 資金繰りが苦しくて、消費税を少し遅らせたことがあるんですが・・・。


税理士: 銀行にとって、税金の滞納は”レッドカード”です。法人税・消費税・源泉所得税・社会保険料の未納は、「この会社は納税資金も確保できていない」という証拠として見られます。融資審査で確認される「納税証明書」に未納が出た時点で、審査が止まるケースもあります。


改善のアクション:

  • 納付計画を立てて早期に解消する

  • 納税資金用の口座を別に作るなどの「納税準備」の習慣をつける(これ自体が銀行評価にプラス)


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⑦ 売上が増えても利益が増えていない


社長: 毎年売上は伸びているんですが、利益がなかなか増えなくて。


税理士: これは銀行が最も注視するパターンの一つです。売上が増えているのに利益が増えない場合、「人件費・外注費などのコスト管理が追いついていない」「売上至上主義に陥っている」と判断されます。成長してもキャッシュが残らない会社は、銀行から見ると融資リスクが高い会社です。


📌 目安: 粗利益率が毎年0.5〜1%以上低下し続けている場合は構造的な問題として見られます。


改善のアクション:

  • 売上総利益率・営業利益率を毎期比較し、低下の原因を特定する

  • 粗利・販管費をKPIとして月次管理に導入する


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税理士が提案する「決算書改善の3ステップ」


ステップ1:月次ベースで数字を管理する


社長: 決算書って、年に1回作ればいいんじゃないですか?


税理士: それが最も危ない考え方です。銀行が見る決算書の問題点のほとんどは、月次で管理していれば事前に手が打てます。月次試算表の精度を高め、粗利率・営業利益率・売掛金残高などのKPIをリアルタイムで把握することが第一歩です。


ステップ2:資産・負債の内容を定期的に整理する


貸付金・仮払金・売掛金・棚卸資産は、少なくとも四半期に一度は実態を確認します。「帳簿上にあるが実態のない資産」は処理するか、銀行への補足資料で説明できるようにしておくことが重要です。


ステップ3:銀行提出用の資料を整備する


決算書単体で説明しきれない部分は、補足資料で補います。

資料

内容

補足説明書

貸付金・売掛金・在庫の内容と回収見込み

資金繰り表

向こう6〜12か月の現金収支の見通し

返済スケジュール

既存借入の残高・返済額・完済予定

3か年事業計画

売上・利益・設備投資の計画


社長: こういう資料って、自分で作れますか?


税理士: 形式より中身の整合性が重要です。数字の根拠を説明できるかどうかが銀行担当者の信頼につながります。作成に不安がある場合は税理士と一緒に整備することをお勧めします。

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よくある質問(FAQ)


Q1. 決算書の内容を銀行に説明する機会はありますか?


はい。融資申込時の面談や、定期的な決算報告などの場で説明できます。特に「数字が悪化した理由」や「一時的な変動がある項目」は、黙っているより先に説明した方が銀行の信頼を得やすいです。説明なく数字だけ出すより、「この数字はこういう理由です」と補足できる経営者の方が、銀行担当者からの評価は高くなります。


Q2. 税務調査と銀行審査は、決算書のどこを見るかが違いますか?


税務調査は「課税所得が適正か・損金処理が正しいか」を中心に見ます。一方、銀行審査は「返済余力があるか・資金の流れが健全か・実態と帳簿が一致しているか」を重視します。税務上は問題なくても銀行評価が下がるケース(減価償却の過少計上など)があるのはそのためです。


Q3. 赤字決算が続いた場合、融資は完全に無理ですか?


必ずしも無理ではありません。赤字の原因が一時的なもの(設備投資・先行投資・特別損失など)であれば、補足説明と事業計画で対応できるケースがあります。また、日本政策金融公庫や商工中金は、民間銀行より柔軟に対応する場面もあります。ただし、営業キャッシュフローが継続的にマイナスの場合は、構造的な問題として早急な改善が必要です。


Q4. 決算書の改善にはどのくらいの期間がかかりますか?


項目によって異なります。仮払金・仮受金の精算は即対応できますが、役員貸付金の解消・売掛金の回収改善・短期借入の長期化などは1〜2期(1〜2年)かけて計画的に進めるのが現実的です。銀行は「改善の方向性と計画」を評価するため、すぐに解消できなくても取り組んでいる姿勢を示すことが重要です。


Q5. 顧問税理士がいれば、決算書の銀行対策は任せていいですか?


顧問税理士は税務申告のプロですが、銀行融資・財務戦略への関与度は事務所によって大きく異なります。「決算書を作るだけ」の関与では銀行対策は不十分です。月次での財務管理・銀行向け補足資料の整備・融資交渉へのサポートまで一緒に考えてくれる税理士と組むことが、年商3億円超を目指すうえで重要な選択肢になります。


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まとめ


銀行が嫌う決算書の7つの兆候を整理します。

#

兆候

銀行が感じる懸念

役員貸付金・仮払金が多い

資金の私的流用・不透明さ

減価償却費が過少

キャッシュ実態の偽装疑惑

役員報酬が不自然

利益調整・節税臭

売掛金・在庫が膨張

不良資産・粉飾の可能性

短期借入が恒常的

慢性的な資金繰り悪化

税金の未納・滞納

資金管理能力の欠如

売上増でも利益が増えない

コスト管理の甘さ・成長の質

「ちゃんと説明すれば分かってもらえる」ではなく、"初見で信頼される決算書"を作ることが、成長資金を獲得する最短ルートです。


数字は「正確さ」だけでなく「相手にどう見えるか」が経営判断に直結します。月次で数字を管理し、銀行が安心して融資できる財務体質を整えていきましょう。


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近藤祐輔税理士事務所では、財務戦略・銀行融資・キャッシュフロー改善を軸に、年商3億円超を目指す中小企業経営者を支援しています。事務所の詳細・サービス内容はこちらからご覧ください。

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