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融資に通る資金繰り表・資金計画の作り方|銀行が評価する精度と根拠

  • 執筆者の写真: 近藤 祐輔
    近藤 祐輔
  • 2025年7月17日
  • 読了時間: 7分

はじめに


「計画書はとりあえず作ったけど、これで銀行に出して大丈夫?」「資金繰り表を提出したのに、融資を断られた理由がわからない・・・」


実は、金融機関が融資を判断する際に特に重視しているのが、資金繰り表と資金計画の精度と実現可能性です。


この記事では、銀行との融資交渉で評価される資金計画の作成ポイントと実務的なコツを、税理士の立場から対話形式で解説します。


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1. 金融機関が資金繰り表・資金計画で見る視点


社長: 資金繰り表を提出したのに融資が断られました。銀行はどこを見て判断しているんですか?


税理士: 銀行は単に「黒字か赤字か」だけを見ているわけではありません。5つの観点で評価しています。

評価項目

見られるポイント

資金の流れ

月単位で入出金に無理はないか(赤字月が続いていないか)

借入金の返済能力

元利返済をキャッシュで回せる見込みがあるか

計画の整合性

売上・利益・キャッシュが整合しているか(ズレがないか)

数字の根拠

売上見込みや支出見積りが現実的かどうか

経営者の理解度

作成者が内容をきちんと説明できるか


社長: 数字が合っていれば良いわけではないんですね。


税理士: そうです。金融機関が見ているのは「この社長なら資金計画どおりにやり切れる」かどうかです。数字の正確さと、その背景を説明できる経営者としての理解度の両方が問われます。


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2. 精度の高い資金繰り表の4つの特徴


社長: 精度の高い資金繰り表とは、具体的にどういうものですか?


税理士: 4つの特徴があります。


① 月単位の入出金が具体的

売上の入金タイミング(月末・翌月末など)と、支払のスケジュール(仕入・外注・人件費・税金など)を正確に反映します。


② 季節要因が反映されている

6月と12月の賞与、5月と11月の消費税・法人税の支払いなど、季節的な資金変動を織り込みます。こうした変動を無視した計画は「実態を見ていない」と判断されます。


③ 最低現預金残高を意識した設計

手元資金が月末時点で一定額を下回らない設計になっていることが重要です。「資金が底をつく月」がある計画は、銀行の懸念を招きます。


④ 損益計画との連動がある

損益計画とリンクしていて「黒字なのに資金が足りない」といった齟齬がないことが必要です。PLとCFの両方を整合させることが精度の証明になります。


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3. 金融機関に好印象を与える資金計画書のコツ


社長: 計画書を作るうえで、特に気をつけるポイントはありますか?


税理士: 3つあります。


① 売上の根拠を明記する

売上が「感覚的な希望」ではなく「客観的な見通し」であることを示すことが大切です。

内容

書き方の例

既存顧客との契約更新

「既存顧客〇社(〇〇万円/月)の継続が見込まれる」

新規案件の獲得予定

「現在進行中の見積案件〇件の成約を前提」

値上げ効果の反映

「平均単価が1.2倍になる想定(過去半年平均より)」


② 費用の見積もりが実態と乖離していない

家賃・人件費・仕入などの固定費・変動費が実態と合っていることが前提です。節税や投資計画が反映されており、「使い道がわかる」資金設計になっていることも重要です。


③ 借入の返済スケジュールが明確

元利均等か元金均等かなど、返済方法に応じたシミュレーションを反映します。既存の借入と今回の借入を合わせた返済負担が資金繰りに無理なく収まっているかを確認します。


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4. 実例:融資否決から一転、満額実行へ(サービス業・年商1.6億円)


社長: 実際に資金計画の改善で融資が通った事例はありますか?


税理士: あります。サービス業・年商1.6億円の創業2期目の会社の事例です。

追加融資を希望したところ、金融機関から「資金計画が曖昧」として否決されました。経営者は試算表の提出と簡易なエクセルの数字しか用意していなかったのが原因でした。


改善したポイントは3つです。

  • 税理士とともに月次の資金繰り表(入出金ベース)を12か月分作成

  • 売上見込みに根拠を付け(継続契約・新規商談)、説明文を添付

  • 借入返済後も現預金残高が減らないシナリオを構築


再提出から2週間後、同一金融機関より希望額満額で融資が実行されました。


社長: 数字の中身は変わっていないのに、なぜ通ったんですか?


税理士: 「数字の根拠」と「説明できる状態」が整ったからです。計画書は提出するだけでなく、「伝える資料」として作り込むことが融資承認の鍵になります。


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5. 税理士を活用した資金計画作成のメリット


社長: 資金計画は自社だけで作るのは難しいですか?


税理士: 作れますが、税理士が関与することで4つのメリットがあります。

メリット

内容

計画の精度向上

キャッシュフローと損益の整合性をチェックしてもらえる

金融機関への説明補助

同席して数字の背景や根拠を補足説明し、経営者の説明を支援する

提出書類の整理

試算表・決算書・借入一覧などの整理を支援

定期的な更新

毎月の実績に基づき、計画とのギャップ分析が可能


社長: 税理士が関与していること自体が評価されることもありますか?


税理士: あります。金融機関は、税理士の関与がある企業に対して「管理意識が高い」と評価する傾向があります。計画書の精度だけでなく、誰と一緒に作ったかも信頼性の判断材料になっています。


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まとめ:「数字が正しい」だけでは足りない


「その数字がどう実現されるのか」が伝わるかどうかがカギです。


資金繰り表・資金計画は単なる提出書類ではありません。金融機関と信頼関係を築き、融資を通すための対話ツールです。数字が正しいだけでなく、根拠があるか・一貫性があるか・経営者が理解しているかという視点で作り込むことが成功への第一歩です。

  • 計画書は「見せる資料」でなく「伝える資料」として整える

  • 「資金繰りを読む力」は「資金調達力」に直結する

  • 月次ベースでの運用を習慣化し、顧問税理士と定期的に更新する


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よくある質問(FAQ)


Q1. 資金繰り表と資金計画書の違いは何ですか?

資金繰り表は月単位の入出金の実績・予測をまとめた表で、手元現金の増減を管理するものです。資金計画書はより広い概念で、事業の収益見通しや資金調達・返済計画を含む文書です。融資申込では両方を組み合わせて提出することが一般的です。


Q2. 資金繰り表は何か月分作れば良いですか?

融資申込の場合、12か月分(1年間)が標準です。設備資金など長期の融資の場合は、返済期間に合わせた複数年の見通しを求められることもあります。まず12か月分を月次で作成することから始めてください。


Q3. 売上の根拠として何を用意すればいいですか?

既存顧客の継続契約書・発注書・見積書、過去の受注実績データ、商談中の案件リストなどが有効です。「感覚的な見込み」ではなく「数字で示せる根拠」があるほど、銀行担当者が社内で稟議を通しやすくなります。


Q4. 資金計画書は自社で作らなければなりませんか?

顧問税理士が作成を支援することが可能です。ただし、経営者自身が内容を理解して説明できることが重要です。金融機関との面談では「誰が作ったか」より「経営者が内容を把握しているか」が評価されます。


Q5. 一度否決された融資に再チャレンジすることはできますか?

できます。否決の理由を確認し、資金計画の精度・根拠・整合性を改善して再申込することで、承認されるケースは多くあります。否決後は早期に顧問税理士に相談し、改善ポイントを整理することをお勧めします。


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